僧帽弁置換術後の左房破裂?

yokosukacvs
 僧帽弁置換術後の合併症として、左室破裂は致命率の高い、心臓外科医が最も遭遇したくない合併症の一つではありますが、同じような手術操作で左房破裂が起きることがある、と聞いたことがあります。
 筆者は今まで左室破裂は数例経験しましたが、残念ながらというか、幸運なことに、相談された左房破裂は今まで経験しておりません。僧帽弁置換における運針で左房が破裂する可能性が本当にあるのかどうかも確信はありません。犬においては手術操作ではなく自然に僧帽弁閉鎖不全症の症例で発生することはあるようですが、人間では一般的ではないようです。
 僧帽弁手術の運針で僧帽弁輪に糸かけをして人工弁を縫着する際に、左房壁にかかっている針孔の部分で裂けた場合は左房破裂のような現象はありうるかもしれませんが、通常僧帽弁後尖側には冠動脈回旋枝が走行しており、それを超えて左房壁の外まで針をかけるとこうことが本当にありうるか、疑問です。やはり左室破裂を起こして、それがまるで左房から出血するように見えた、と考えると納得いくようにも思います。
 左房破裂の経験がある人がいたら是非そのへん教えていただきたいです。